携帯電話のワイヤレス充電てどういう仕組み?

「ワイヤレス充電」に対応した携帯電話が増えています。台に置くだけで充電されていく様子は、まるで魔法のよう。今回はそんなマジカルなワイヤレス充電の仕組みと、メリット・デメリットについてご紹介します。

ワイヤレス充電の代表的な種類

ワイヤレス充電といっても、空気中を電気が飛び交っているわけではありません。代表的なワイヤレス充電方式には、以下の4種類があります。

1. 電磁誘導方式

送電する側である充電パッドに送電コイル、受電する側である携帯端末に受電コイルを搭載し、2つのコイルを対向させることによりワイヤレスで充電する方式です。ただし、送電側と受電側との位置関係が意外にシビアで、一般的に送電コイルと受電コイルの中心が10mm程度ずれると充電されないことがあります。

2.磁界共鳴方式

送電側コイルを含む共振回路、およびそれと同じ共振周波数を持つ受電側コイルを含む共振回路で構成され、送電側コイルに電流を流すと発生する磁界の振動が受電側共振回路に伝わり、電流が流れる原理を利用した充電方式です。①の電磁誘導方式に比べて距離が離れていても充電することができる点が魅力。

3.電界結合方式

送電する側と受電する側との間に電極を用意し、両者を対面させることでコンデンサー(キャパシター)を形成。このコンデンサーに高周波数の電気を流し、相手側電極に電気が流れる現象を利用して充電します。

4.電波受信方式

送電側で電流を一度電磁波に変換。受電側に用意したアンテナで受信し、さらに受信した電磁波を整流回路で直流電流に変換する、電磁界を利用した充電方式です。伝送距離が長いことがメリットですが、電気の発生効率が悪いことが課題になっています。

4つの方式のうち、最もポピュラーなのが①の電磁誘導方式です。小型かつ低コストで実現できることが大きな理由になっています。なお、携帯電話にはワイヤレス充電に対応した機種と非対応の機種があるので、あらかじめ確認しておきましょう。

ワイヤレス充電のメリット・デメリット

ワイヤレス充電であれば携帯電話を充電する際、これまでのように毎回ケーブルに接続しなくて済むようになります。思わず「便利!」と声を上げたくなりますが、ワイヤレス充電にはメリットがある一方、デメリットもあるのが実情です。

メリットは何と言っても置くだけで充電できる点。また、同じ規格のワイヤレス充電器に対応していれば、ケーブルが異なる携帯電話も充電することができます。さらに、複数台を充電できるワイヤレス充電器も登場しています。家庭などで複数人が利用する場合などは便利ですね。
デメリットは、まず充電が遅い点。これはワイヤレス充電最大のデメリットで、あくまで磁界の仕組みを使って電力を生成しているため、ケーブルで直接電源に接続するよりも効率が悪いことが大きな要因です。充電器の性能によっては遅い時間がさらに遅くなってしまいます。
充電する位置がシビアな点も気になるところでしょう。置く位置が少しずれただけで充電されないケースがあることは、「置くだけ」という手軽さが売りな分ストレスになります。充電に時間がかかるだけでなく、そもそも充電されていないこともあるとなれば、ケーブルによる物理的結合の価値に改めて気づく人もいるでしょう。

ワイヤレス充電の特徴を知っておくことが大事

夢がいっぱいのワイヤレス充電器。置くだけで充電できる点はやはり何を置いても代えがたい魅力です。上記のような特徴があることを知った上で購入することが大事だといえます。

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